ひだ・みの 活断層を訪ねて1  ホーム 目次

地震列島 共存考える契機に


濃尾地震(1891年、明治24年)で有名になった根尾谷・水鳥(みどり)の断層崖
 
日本列島の活断層の分布(「新編日本の活断層」活断層研究会編1991年より)
 浅間山の突然の噴火、そして九月の上旬には、一晩に二回も本県が震度がVからWという地震に見舞われ驚いた。人間はどうしても事態に直面するまでは、心のどこかで自分は大丈夫と思おうとしている節がある。しかし、先のダブル地震は、そんな甘い気持ちを払拭するに充分であった。
 さて、日本は地震国、そして火山国といわれている。確かに日本列島で放出される地震エネルギーは、全世界の一割という。陸地面積が全世界の約四〇〇分の一という狭い地域にである。
 また、日本列島には、全世界の約一割の活火山が分布する。日本列島は、世界的に見ても火山や地震の活動が極めて盛んな地域である。
地震は岩盤の破壊で生ずる。この破壊面を境に岩石が食い違う。この面を断層(面)という。地球表面である地殻には発生時期を異にする数多くの断層が存在する。これら断層は、いわば過去の地震の記録簿(すなわち断層活動歴)のである。これらの断層のほとんどはもう動くことのない、いわば死んだ断層である。しかし、中には活動を終えていない断層、すなわち将来活動する可能性のある断層があり、これを活断層と呼ぶ。
 日本は地震国だけあって数多くの活断層がある。そして、その日本列島の中でも岐阜県は特に活断層が密に分布することで知られる。これからこの岐阜県に分布する活断層を訪ねながら活断層はどこで、どのように見られるのか、また活動歴(地震歴)はどこまで分かってきているのか、などについて様々な人々に筆を取ってもらうことにした。
 活断層を避けて通ることはできない。この活断層とどう共存するのか考えるきっかけになれば幸いである。
(下畑 五夫・飛騨地学研究会会長)2004年10月16日