雪囲いのある村 |
河合村角川のプラスチック板の雪囲い
冬季、日本海にそそぐ宮川(富山県では神通川)に沿って北上すると、古川町から河合村に入ったところで、急に雪囲いのある家ばかりになります。その境界は、ちょうど古川盆地から県境山地に入ったところにあたります。飛騨地方では、年最大積雪量が1m以上になりやすい土地で雪囲いがなされています。河合村は、毎年最新積雪量が2mを越します。 昔の雪囲いは、板壁や稲のワラ、ヨシなどを用いましたが、最近は写真のようにプラスチック製の板や波トタンなどを使うことが多くなりました。雪の深い飛騨北部では、積雪に加え屋根から降ろした雪で家が埋まってしまいます。家の壁を守り、通路を確保するために雪囲いをします。飛騨北部は風が弱いので、能登半島などの冬の強風地帯の雪囲いのように風雪を防ぐ意味は大きくありません。宮川をさらに北上して富山平野に入ると雪囲いはなくなります。積雪が少なくなるからです。そのかわり、冬季の風対策の屋敷林を持つ家が多くなります。 河合村では、豪雪地帯の特色を生かし、同村元田地区の匠(たくみ)ドームに「夢雪回廊」をつくりました。夢雪回廊は、長さ30m、高さ2.2m、幅1.5mのトンネルに雪をかぶせたものです。断熱材で雪を覆うため、トンネルの壁面の網目から夏季になるまで雪にさわることができます。夏季のイベントにこの雪が使われ、河合村のPRに役立っています。(中田 裕一) |