ひだ・みの 活断層を訪ねて45  ホーム 目次

三尾断層 国府断層帯表舞台に


断層に沿う脇谷、断層は手前から向こうへ続く=高山市国府町瓜巣
 
 高山市国府町の西側に宮川の支流、瓜巣川がある。この川も二〇〇四(平成十六)年十月に氾濫し大きな水害をもたらした。その国府町瓜巣から高山市清見町三尾にかけて三尾断層がある。高山市荘川町の三尾河(みおご)断層と名前は似ているが別の活断層である。
 国府町瓜巣付近での三尾断層の位置は二通りの解釈がある。一つは瓜巣川に沿う谷、もう一つは瓜巣川の南約五百bの脇谷である。それぞれ地形や地質等による判断であるが、狭い範囲での断層は必ずしも一本とは限らない。実際その場に立つと、どちらの谷も直線状である。しかし一方で、いかにも断層という地形の特徴がない。
 この目立たない断層が表舞台に出てきた。「三尾断層を含む国府断層帯の地震発生の可能性が高い」と政府地震調査委員会が報告したからである。二〇〇三(平成十五)年に新聞等で大きく取り上げられた。国府断層帯は、すべて北東から南西に延びる断層で構成され、三尾断層、滝ヶ洞断層、夏厩断層、牧ヶ洞断層からなる。ここは活断層の密集地帯のひとつである。
 報告は、近くにある牧ヶ洞断層の状況等から、国府断層帯の最新活動を約四千七百年前から約三百年前と推定した。古代エジプトのクフ王の頃から徳川吉宗の頃までの間だからえらく幅がある。また、今後三十年以内に地震の発生する確率を〇〜五lと計算した。確率としては小さく感じるが、五lなら活断層の中では高い方になる。さらにこの断層帯で地震が発生した場合、断層の長さからマグニチュードを七・二と予想した。二〇〇四(平成十六)年十月の中越地震が六・八といわれているので、中越地震の約四倍のエネルギー規模となる。確かにそのような地震の発生を想像すると恐ろしい。
 ただ、これは数値的な予想であり、その計算の基となる値も四千年以上の幅があるように精度が高いとは言い難い。しかし、身近なこのような活断層の存在を意識することは重要である。
(岩塚藤嗣・飛騨地学研究会会員)2005年8月27日