ひだ・みの 活断層を訪ねて8  ホーム 目次

池田山断層(上) 地表に現れぬ断層面


茶畑を通る撓曲(とうきょく)崖=揖斐郡池田町
 
 池田町願成寺地区の扇状地には、断層活動を示す低い断層崖や撓曲(とうきょく)が見られる。撓曲とは、地表面が柔らかい堆積層などに覆われるため、断層による地面のずれが地表まで達せず、地表面が撓(たわ)んでしまうことをいう。
写真には、扇状地を横切って撓曲によって形成された二〜三m
の小さな崖(撓曲崖)が連なっている。願成寺地区の扇状地は茶畑として利用されているが、この扇状地の傾斜が急に変わる部分の下に断層が通っている。撓曲は、このように地表面に直接断層面が現れないため、はっきりと断層として認めにくい(図参照)。
 新潟県中越地震でも、震源地の上部に厚さ六キロにも及ぶ堆積層があり、断層による直線状の地形のずれが地表にはっきり現れていないという。
断層がどこを通っているかを調べるには、地表では断層線の延長上で地形が変化している所(傾斜が急に変わるなど)を追跡する方法があるが、はっきりさせるには直接地面を掘って確認する以外にない。調査のために細長い穴を掘れば(これをトレンチという)、断層がどこを通り、いつ頃、どれだけ地面がずれたかがわかる。
 平成一〇年に岐阜県によってこの地域の三ヶ所でトレンチ調査が行われ、断層活動の歴史と変化の大きさなどが調べられた。その結果、池田山断層は、山地(西)側が、平地(東)側の上に乗り上げている逆断層であり、約一三〇〇年前の地層を変形させたという。 また、断層の活動間隔は少なくとも八七〇年以上と推定された。江戸時代〜明治時代初期の水路跡には変形を与えていないことから、最近は活動していないようである。
 池田山断層の活動の繰り返しは、文字通り池田山をさらに高くさせる役割を担っている。
(木澤慶和・飛騨地学研究会会員)2004年12月4日