ひだ地学第76号 2000年6月12日発行   ホーム 目次

安峰山(古川町)と河合村の手取層

巡検日:2000年5月21日

古川町太江でシジミの化石を捜す 

  5月21日(日)に予定どおり、今年度第1回目の巡検を行いました。巡検地は安峰山と河合村です。参加者は以下の9名でした。岩田 修・岩塚藤嗣・木下耕一・黒田耕一郎・寺門隆治・中田裕一・舩坂忠夫・三塚 洋(ご子息1名)・三宅幸雄。
 天気は怪しい曇り空でしたが、古川町役場に集合しました。まず古川町太江から林道を上がって安峰山山頂を目指しました。あいにく小雨が降ってきて肌寒くなりました。しかし、山頂は整理され展望台や休憩所、山頂手前にはトイレまで設置してありました。また、霧の研究で利用した吉城高校の百葉箱がありました。
 山頂から古川の町並みを展望した後、寺門先生から古川盆地の盆地霧の特徴や、霧の見え方について解説を受けました。ここの百葉箱は、まだ林道が全通していないころ、分解して山道を運んだとのことでした。
 林道を降りると日が差してきました。太江の入り口の浄慶寺の近くで、手取層の化石を探しました。ちょうど昨年の9.15豪雨災害で、太江川の新しい河原ができていました。黒田さんの案内で捜してみると、つめをたてたような半月状の穴のある石が見つかりました。この石は地元では「つめ石」といい、シジミの化石です。ここで岩田先生から、「つめが甘い。」「ハンマーでつめをたたくなよ。」と駄じゃれが連発しました。ここでは、植物化石も取れました。三宅さんによると、ニルトリア・オリエンタリス(ソテツの仲間)やポドザミテス(マキ科の植物)です。
 さて、次は古川町黒内から河合村へ入りました。やはり9.15豪雨災害で川は荒れています。舩坂先生の案内で真の谷の近くの谷に入り、やはり手取層の化石を捜しました。小雨もぱらつきましたがなんとか天気は持ち直し、ここで昼食をとりました。ほんとうに化石があるのかと思っていると、三塚先生のご子息がなんと、カワシンジュガイの化石を割り当てました。がぜんみんなやる気を起こして捜して見ると、シジミなどいくつか化石を見つけました。
 豪雨で荒れた谷の写真を撮った後、古川町役場にもどりそれぞれ帰路につきました。