ひだ地学第144号 2007年3月20日発行   ホーム 目次

阿寺断層・加子母トレンチ見学

巡検日:2007年2月25日

加子母トレンチレンチ調査現場で 
 2月25日(日)午前8時半、飛騨の里駐車場に集合し、今年1回目の巡検を行いました。集まったのは、下畑会長、寺門、田中、中田の各会員の4名でした。岩田副会長からは、風邪でダウンという連絡が入りました。天気は、なんとか晴れです。
 一路、南下し、中津川市加子母に向かいました。舞台峠を越え、道の駅付近から東の山に入る林道を捜しました。少し迷いましたが、インターネットの地図を参考に現場に到着できました。
 現場では、愛知工業大学の廣内大助さんら、3名の方がトレンチ調査をしてみえました。他に北大や富山大の関係者が調査しているようです。そこで「岩盤が出ると思ったが出なかったこと。断層のくぼ地には神社があったこと。ここでは、山側の東のほうが落ちていること。最上部の腐食層は切られていないこと」などの説明を受けました。また、神社に関する物品も出てくるので、考古のメンバーも加えて調査を行っているとのことでした。トレンチ断面を見せてもらうと数回のずれの痕跡がありました。ただ、明瞭なほうの断面は、地層はぎとりのため、白いボンドのようなものが塗ってあり見えませんでした。
 そのうち、1人が阿寺断層せんべいを配ってくれました。見ると、せんべいには、阿寺断層の絵が書いてあります。道の駅に売ってあるなら、たいしたもんだと思っていると、論文の奨励賞か何かでもらったお金で特注したものでした。しかしよくできています。また、小秀山の向こうで湯ヶ峰流紋岩のような岩体を見つけ、年代測定をしたら、湯ヶ峰の10万年に比べ、たいへん古い年代だったそうです。この場所や、加子母に実家がある廣内さんの家の位置も、せんべいに彫り込んであり、確かにマークがありました。
 また、この前の週には、一般の方に説明会を開き、多くの人が訪れたそうです。地元の小学生にも説明会を行いました。岐阜新聞の「ひだ・みの活断層を訪ねて」では、阿寺断層は終っています。しかし、最後に掲載できるので、原稿をお願いして帰ることにしました。
 帰りは、加子母の「地震体験ハウス」の看板が見えたので、震度6を体験することもできました。阿寺断層に関係はないが、工務店をやっている中で作ったそうです。神戸などで耐震ハウスの要望が多いと聞きました。
 さらに、萩原では、コーヒーがおいしいことで有名な喫茶店に寄りました。満席のため、少し待ってから入れました。おかわりのできるおいしいコーヒーでした。 帰ると、午後3時をまわっていましたが、有意義な巡検でした。