ひだ地学第123号 2004年12月20日発行   ホーム 目次

高山・古川盆地周辺の活断層

巡検日:2004年12月12日

牧ヶ洞断層の露頭(真ん中の白い筋は断層境の粘土層) 
 12月12日(日)に、5日から延期した今年度4回目の巡検を行いました。8時30分、集合場所の古川道の駅に行くと、今回は続々集まりました。総勢6名、岩田、鷲見、笠原、舩坂、岩塚、中田が集まりました。さらに途中からの参加者、寺門、三宅を含めると、8名の参加者でした。
 盆地霧が出ていたので、いったん盆地から出て猪伏山トンネルから夏厩に抜けることにしました。予想どおりトンネルを抜けると、そこは晴れていました。夏厩の東海北陸道の近くから集落の向こう(東方)を見ると、反対側の山には直線状の谷があります。ここが断層の場所です。断層がちょうど川を横切っていたので、そこに断層破砕帯がないか調べに行きました。やはり、青っぽい色の破砕帯がありました。ただし、規模は小さく幅5m程度の破砕帯がとぎれとぎれありました。
 次に、開通したばかりの中部縦貫自動車道の小鳥トンネルを通って、岐阜県畜産研究所のある牧ヶ洞断層に向かいました。ここは、扇状地の末端に断層が走っています。末端の向こう側が断層を境に隆起して丘陵になっています。
 全体写真を撮っていると、寺門会員が現れ、堰堤に何かあるということでした。そこで造りかけの堰堤に行ってみると、なんと地層がむき出しの堰堤斜面があり断層の上を通っています。ちょうど断層と思われる部分に、左が茶色で右が青色の縦に直線状の模様が見えました。よく見ると、茶色と青色の間に数センチ幅の白い線もあります。測量をしている人に断ってつくりかけの堰堤に行ってみると、それはまぎれもない断層露頭でした。岩田副会長によると、青い部分は破砕帯、白い線は断層粘土だそうです。しかしあまりにも境がきれいなのでびっくりしました。そこで、翌週に再調査することになりました。みんな感心して写真を撮りました。
 次に国府町瓜巣で、三尾断層の地形写真を撮り神社で昼食となりました。そして古川町戸市断層の写真を撮りに古川町黒内に行きました。ここの桃源郷温泉は、戸市断層をめがけてボーリングしたそうです。日も短いので、手取の化石を見て帰路につきました。今回は、特に牧ヶ洞断層の露頭が見つかりラッキーでした。