ひだ地学第77号 2000年7月3日発行   ホーム 目次

荘川村の手取層

見学日:2000年6月18日

荘川村牛丸で 

 6月18日(日)に荘川村で今年2回目の巡検を行いました。天気が心配されていましたが結局好天に恵まれ、次の参加者がありました。木下耕一(ご子息1名)・中田裕一・舩坂忠夫・三塚 洋(ご子息1名)・三宅幸雄。
 清見村BG駐車場に午前8時に集合して2台の車で出発です。蛭ヶ野高原の林道から荘川村大黒谷に入ると、残雪をいただいた白山がくっきり見えました。林道を下る途中の崖に手取層の露頭がありました。三宅さんによると、ここのカメ層からキョウリュウの歯の化石が出る可能性があります。三宅さんは、ここで1日岩石をたたいたこともあるそうです。キョウリュウの化石は無理でしたがシジミの化石を採り林道を下りました。しかし、工事中で林道が行き止まりのため、尾上郷へは下れません。道を戻り荘川村牛丸に行きました。ここはジュラ紀化石群の露頭があることで有名です。庄川の水位は普段高いので、化石の露頭は水没していることが多いとのことです。しかし、幸運にも水位が低くて、貝化石の密集露頭がありました。
 その後、近くの公園で昼食となりました。そこには牛丸の貝化石の碑と標本があります。そこの説明文によると、小型のシジミがミレネテトリエンシスで、大型のシジミがテトリアヨコヤマイという学名です。
 日差しが暑い中、いよいよ腰をあげ、御母衣湖の方から荘川村尾上郷へ向かいました。尾上郷の林道を約8km入り河原に降りました。長靴をはいた舩坂先生と三宅さんは手馴れたもので、川をすいすいと渡り向こう岸へ行ってしまいました。そこでしかたなく、靴を脱ぎ素足で川を渡りました。向こう岸の岩盤を見ると、植物化石がいっぱいくっついていました。これはすごいと岩石を割ってみましたが、なかなかいいものが採れません。結局、三宅さんにソテツの仲間、ニルソニアコトイの化石をもらい大満足して帰りました。清見村BGへ帰る途中にわか雨が降りましたが、行動中は雨にもあわず楽しい化石採集の1日でした。