ひだ地学第160号 2009年5月4日発行   ホーム 目次

太江(たえ)断層の露頭見学

巡検日:2008年11月9日

太江断層の断面 

 昨年、寺門会員より太江断層の露頭が発見されたとの連絡があり、緊急に巡検を行いました。期日は、2008年11月9日、天気はあいにく曇りですが、飛騨市古河町太江地内のバイパス工事の現場に断層断面が現れていました。
 写真のように、斜めに色の変わった境界が断層断面です。北側が飛騨片麻岩を含む花崗閃緑岩(風化している)、南側が太江川起源の堆積物です。北側がせりあがる逆断層です。断層上の地表は不明瞭ながら階段状の地形を呈しており、断層活動の影響を受けているようでした。
 太江断層は、確実度Vと判定されていましたが、この露頭の発見で、確実度を上げました。また、太江の谷が古川盆地に接するぎりぎりの場所で、これだけ、はっきり境界がわかることに驚きました。太江断層が古川盆地を横切っている可能性もあります。
 地形的には、古川盆地の向こう側、下野から黒内の線状の低地につながりますが、はたして、太江断層と古川盆地は、どのような関係になるか。興味が出てきます。
 当日、集まったのは、下畑会長、岩田副会長、寺門、中田会員でした。