ひだ地学第79号 2000年10月31日発行   ホーム 目次

富山県立山砂防博物館の見学

見学日:2000年9月3日

立山博物館の飛騨片麻岩の前で 

 さる9月3日、富山県の立山砂防博物館・立山博物館に見学に出かけました。メンバーは、岩田副会長、鷲見会員、中田会員の3名でした。文化祭などの都合で出席できない会員もあったせいで、非常に少ない参加者でした。
 天気は晴れました。そして古川町役場駐車場から富山県に向けて出発しました。常願寺川を越えて立山方面に向かうと、博物館らしきところがあったので入って見ると、当初の予定の立山カルデラ砂防博物館ではありませんでした。立山博物館という別の博物館でした。そこは、立山信仰の人文的展示が主でしたが、飛騨片麻岩などの岩石の展示もありました。
 それから、さらに10分程度、富山地鉄立山駅まで行くと立山カルデラ砂防博物館がありました。ここで、立山カルデラとは、室堂平を中心とする立山本峰付近ではなく、室堂の西にあるカルデラ状の地形であることを知りました。立山カルデラは、安政の大災害を引き起こした場所です。この大災害は、跡津川断層による飛越地震に関係しています。このとき、立山カルデラの鳶山(とんびやま)が大崩壊し、常願寺川上流をせき止めました。せき止め湖がしばらくしてから壊れ、下流の大洪水により多くの溺死者が出たそうです。
 砂防博物館で特に印象に残ったのは、安政の大災害を説明する模型でした。安政の大災害の様子を物語りとして、映像と模型で示すものです。また3次元シアターでは、赤、青のセロハンを張っためがねで見ると、映像が立体的に見えました。しかし、うかつにもここで居眠りしてしまいました。
 この砂防博物館は、建設省の治山工事を一般の人に理解してもらうために作られているようです。現在も続いている堰堤工事などの必要性は十分わかりました。